30代は長い人生におけるひとつの節目といわれています。これは男性にも女性にもいえることですが、とくに女性の場合30代が近くなる頃から貯蓄が増えるなど、結婚を意識したお金の使い方をするケースも少なくありません。
仕事が充実している人もいれば、結婚を考える人もいるでしょう。中には将来のリスクヘッジのために20代から貯蓄に励んでいるという人もいます。
さて、30代ではどのようなお金の使い方が正解といえるのでしょうか。
この記事では30代でお金の使い方を見直すべき理由と、30代におすすめの価値あるお金の使い方を徹底解説します。
今も将来も豊かな生活を送りたい30代の方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
30代になったらお金の使い方を見直すべき理由
30代になったらお金の使い方を見直すべき、という意見はよく耳にしますが
これは「30代をどう過ごすかによって将来のライフスタイルが大きく変化する」ことが理由とされています。
そしてそれは「30代でのお金の使い方が将来に影響する」という意味でもあるのです。
では実際に30代ではお金の使い方をどのように考えれば良いのでしょうか。
年齢的に起こり得る結婚などのライフイベントに備える
理想的なお金の使い方のひとつとして「30代に多い結婚や出産などのライフイベントに備える」ことが挙げられます。
もちろん30代でも独身で結婚する予定がなく、今後結婚するかも分からないから今を楽しむことを考えたお金の使い方をする方もいらっしゃるでしょう。
でも結婚などの高額な費用を必要とする大きなライフイベントが起こった時に備えて今から貯蓄しておけば、いざという時にも安心です。
結婚したらいくらかかるのか
2017年に行われた統計によれば、男性の結婚年齢は平均31.1歳、女性の場合平均29.4歳という結果が出ています。
結婚にかかる費用は、挙式や披露宴に約350万円かかるとされています。
その内訳は、挙式に料理や引き出物、衣装代や撮影代と、多岐にわたります。
これだけでも相当な出費ですが、この他に婚約に関わる費用(結納や婚約指輪など)が約160万円、ハネムーンに約70万円、新居の費用に約70万円がかかるため、結婚には総額650万円ものお金がかかることになります。
もちろん実際には結婚式の参列者からのご祝儀や親からの援助があるのでそのままの金額が必要になることはないでしょうが、30代の今からライフイベントに備えたお金の使い方を始めておけば安心です。
出産したらいくらかかるのか
30代で起こり得る結婚と並ぶ大きなライフイベントが出産、子育てです。
出産費用は約47万円ほどですが、子供が大学を卒業するまでにかかる費用は合計1,600万円以上かかるといわれています。
30代では結婚や出産をまだ身近に感じられないという方も多いでしょうし、子供の人生の選択によって子育てにかかる費用も変動しますが、大きなライフイベントに備えた資産形成を一日も早く始めることが大切です。
価値のあるお金の使い方
では30代における価値のあるお金の使い方について考えてみましょう。
同じ30代であっても人それぞれ価値観が異なりますから、お金の使い方も違います。
大切なのは無駄だと感じることにはお金を使わず、価値を見出せるお金の使い方をするということです。
ここでは、30代に人それぞれの価値観があることを踏まえて「価値のあるお金の使い方」をいくつか紹介します。
自己投資
自己投資は30代におすすめする「価値のあるお金の使い方」のひとつです。
ある調査によれば、20代で約27%、30代では約30%の人が自己投資をしているという結果があります。あなたはこれをどう感じますか。
将来の利益のために時間とお金を使うことを自己投資といいますが、収入の増加、キャリアアップ、起業などのリターンを目指して勉強したり資格を取ったりするのも「自己投資」というお金の使い方です。
また個人年金や貯蓄型の終身保険といった金融商品や株の購入による資産形成は将来のライフスタイルを豊かにする、いわば「未来の可能性を広げる自己投資」といえるお金の使い方でしょう。
預金・貯金(先取り貯蓄など)
預金や貯金も30代の価値あるお金の使い方のひとつといえます。
将来的に起こるかもしれないライフイベントへの目的として、また万が一の時に備えて収入の一定額(10~15%が目安)を預金・貯金に回しましょう。
賢いお金の使い方として、つみたてNISAや先取り貯蓄などがあります。
つみたてNISAは2018年1月にスタートした「少額から始められる長期・積立・分散投資が非課税になる制度」で、投資初心者におすすめの方法です。
貯蓄が苦手な人は、給与天引きなどを使って自動的に預金口座にお金を移す「先取り貯蓄」を利用すると良いでしょう。
預金と貯金
預金と貯金の違いはお金を預ける金融機関の違いによるものです。
預金という用語は銀行や信用金庫、労働金庫などで使われ、貯金はゆうちょ銀行やJA、漁協などで使われます。
体のメンテナンス
定期的にスポーツジムやマッサージに通うなど、体のメンテナンスにお金を使うのは、健康的な生活を送るための価値あるお金の使い方のひとつです。
充実した毎日は健康の上に成り立つものですから、健康維持のための出費は自己投資の一環といえるお金の使い方でしょう。
日頃から運動の習慣がある人は将来の病気リスクが抑えられる可能性も高いです。
将来や老後の生活に備える資産運用
将来や老後の生活を見据えて資産運用を行うのも、価値のあるお金の使い方のひとつです。
初めて投資や資産運用を行う場合は、本やネットなどで学びながら独学で行う方法もありますが、サポートが必要な時はスクールに通ったり指導を受けることも検討しましょう。
正しい知識や運用方法を学ぶことは長期的には利益を上げることに繋がりますから価値のあるお金の使い方といえます。
投資や資産運用を始める場合には、基本的に当面使う予定のない「余剰資金」を使いましょう。
そのため投資や資産運用を始める前に、投資に回せる余剰資金がいくらあるのか、資産状況を把握しておくことが大切です。
趣味は価値あるお金の使い方
30代に限りませんが「趣味」は価値あるお金の使い方のひとつです。
趣味に打ち込むことは心を豊かにし、精神的、肉体的な健康に良い影響を与えるだけでなく、人生の満足度、充実度を向上させてくれます。
また趣味を通して広がった新しい出会いや人脈がビジネスやライフスタイルにプラスに働くケースも少なくありません。
またオフの時間が充実すれば仕事へのモチベーションの維持につながります。
とくに趣味がない30代の方は、価値あるお金の使い方として長く続けられる趣味を持つことで老後も充実した毎日を過ごすことができますよ。
出費を抑えることも大切
価値のあるお金の使い方をすることは大切ですが、同時にムダな出費を抑えることも考えてみましょう。
無駄な出費を抑えれば、必要なことにお金を回すことができます。
毎月のお金の使い方をチェックして項目ごとに洗い出しを行い、何が削れるのかを検討するのが効率的な方法です。
出費を削る場合には、交際費や趣味に使うお金などの「自分を高めるためのお金」より家賃や光熱費、スマホ代などの固定費を見直しましょう。
まわりの30代はいくら位貯金している?
まわりの30代がどれくらい貯金しているのかは気になるところです。
ひと口に30代といっても、単身世帯なのか、2人以上の世帯なのかでお金の使い方も貯蓄状況は変わってくるでしょう。
子供がいれば教育費もかかりますし、貯金に回せるお金がないという家庭もあるでしょう。
ここでは状況別に貯蓄の平均額を紹介しますので、ご自分の状況と比較してみてください。
30代単身世帯者の場合
30代の単身世帯者の場合、貯蓄の平均額は494万円で中央値は75万円となっています。平均額と中央値にかなり差がありますね。
平均値とは貯蓄の総額を人数で割ったもので、高額の貯蓄者がいれば平均値が引き上げられるため、現実的な平均値とかけ離れてしまう恐れがあります。
一方、データの中央に位置し、現実的な平均値の目安となるのが中央値です。
30代の単身者はライフイベントのために貯蓄している人と、自分のためにお金を使いたい人がはっきり分かれているため、平均額と中央値の差が大きいと考えることもできるでしょう。
30代2人以上世帯の場合
30代2人以上世帯の貯蓄額の平均は526万円、中央値は200万円です。
2人以上の世帯では子供がいれば教育費などもかかりますが、2人の収入が合算されるため、中央値も単身世帯と比べて増加していることが分かります。
とくに女性の方がしっかり貯蓄している傾向があります。
これは2人世帯の場合、結婚というライフイベントがより現実的なものであることから意識して貯蓄した結果と考えることもできるでしょう。
記事まとめ:今を楽しむことも将来への備えもどちらも大切
30代でのお金の使い方は人それぞれですが、将来への不安から貯蓄ばかりするのも、将来のことは全く考えず今を楽しむためにお金を全部使ってしまうのも理想的なお金の使い方とは言い難いです。
今回の記事を参考にして、30代の今を楽しみながら、将来経済的に困らないために価値のあるお金の使い方をしましょう。
豊かな現在と未来を手に入れる資産持ちアカデミー
あなたは30代の貴重な時期を、どのように過ごしていきたいと思いますか?今を全力で楽しむのか、将来への備えを重視するのか。
この記事を読んで、お金の使い方について真剣に考えを巡らせていただけたのではないでしょうか。本当に大切なのは、今と将来のバランスを上手に取ることなのです。
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松原仁美
- I∞MA(イーマ)株式会社代表
- 国際会計士
- お金とエネルギーの専門家
子供の頃は専業主婦を目指していたが、お金への不安から公認会計士に。その後、安泰のキャリアを捨てて海外移住し、NYのウォール街やロンドンシティで働く。そこでグローバル企業や世界のお金持ちに触れ、マンハッタン居住中に見えない世界や世界の真実を探求し始める。帰国後、日本のマネーリテラシー教育の不足に気づき、お金の講座を開始。エネルギーの使い方と美的感覚が豊かさに繋がることに気付き、女性起業家の資産形成をサポートしている。